獣害事件の恐ろしさ、人間の弱さを堪能したところで、「あえてノンフィクションという形態を取る意味とは?」という問 […]
小説
「羆嵐」吉村昭
先日都内某所にて、とある方との素晴らしい邂逅を経験したタナカとナリタ。まさに、事実は小説より奇なり、という出来 […]
大風呂敷のたたみ方 ~「エッジ」の感想から~
「旅行に持っていくとしたら、俺は『楽園』より『エッジ』を選ぶ」ほど、タナカの予想に反して高評価をつけたナリタ。 […]
「エッジ」鈴木光司
世間をにぎわした金環日食から、はや一週間。天文学的イベントは人間が宇宙の一部であることを実感させてくれますが、 […]
まやかしの希望は絶望よりも邪悪である ~「模倣犯」の感想から~
本作は架空の犯罪を扱っており、読者は神の視点によって物語の真実を知ることができます。しかしながら真実を知りえな […]
「模倣犯」宮部みゆき
先週の興奮冷めやらぬタナカとナリタですが、気を取り直して、ひきしめて参ります!二年目突入一発目に紹介するのは、 […]
路線という名の群像劇 ~「阪急電車」の感想から~
今までに見られなかった構成と展開に満足のナリタ。各駅停車による人物の入れ替わり、折り返しによる時間軸の動きなど […]
「阪急電車」有川浩
新年度になって、ようやく新生活に慣れてきた方も多いと思います。かくいうタナカも、この春から満員電車に揺られて通 […]
新本格の現在・過去・未来 ~「霧越邸殺人事件」の感想から~
どうだまいったか――という声が聞こえそうなほど、本格推理小説への愛と情熱にあふれる本書に満足のナリタ。随所に現 […]
「霧越邸殺人事件」綾辻行人
都心でも雪が降るほど、冬も本番になってまいりました。今回はそんな季節にぴったりな”吹雪の山荘もの”をとりあげま […]
差別化の効能 ~「ナポレオン狂」の感想から~
短編で恐怖を描くというスタイルは、アイデアありきの話と受け取られ面白みが薄れてしまう両刃の剣でもあります。それ […]
「ナポレオン狂」阿刀田高
師走も中旬となり、いつも以上にささくれ立っているタナカが今回おすすめするのは、ブラックユーモアの第一人者にして […]
”間”と”雰囲気” ~「かもめ食堂」の感想から~
ゆるやかながらも独特の世界観をもつ「かもめ食堂」。すっ、と心に届く作風を共有しつつも、小説と映画それぞれの特徴 […]
「かもめ食堂」群ようこ
女流作家続きで今回は群ようこ「かもめ食堂」の紹介回をお送りします。北欧旅行から帰ってきたばかりのタナカですが、 […]
優しく生きるとは何か ~「小暮写真館」の感想から~
『小暮写眞館』の帯には「数かぎりない伏線の終着駅 小説史上最高に愛おしいラストにあなたは何を思う、誰を想う?」 […]
「小暮写眞館」宮部みゆき
久しぶりに女流作家の作品を紹介します。ユニークな花菱一家が移り住んだ「写眞館」。そこから広がる様々な出来事が、 […]
人間の生き様を描く ~「神々の山嶺」の感想から~
久々のナリタ大絶賛!上下巻の長さを感じさせない展開、圧倒的な描写力、そして「人が生きること」を問いかけるメッセ […]
「神々の山嶺」夢枕獏
今回ご紹介するのは夢枕獏の長編山岳小説「神々の山嶺」です。20年来の構想を余すことなく描ききった意欲作です。こ […]
第13回 眠れなくなるSFの話(個人的に) ~「老ヴォールの惑星」の感想から~
SFでありながらエンターテイメント性に甘んじない、むしろ人間性を深くえぐる小川作品に感銘を受けると同時に、短編 […]
第12回「老ヴォールの惑星」小川一水
今回取り上げるのは新進気鋭のSF作家小川一水氏による短編SF小説集「老ヴォールの惑星」です。SF的非現実的舞台 […]