第17回 関連書籍

併せてどうぞ!

「旅へ -新・放浪記(1)-」野田知佑
日本中、そしてヨーロッパを放浪し、帰国してなお自由を求め続けた著者の、若き苦悩の時期を綴った自伝的エッセイ。いま自分は何をすべきか、悩み、傷つき、刹那的な達成感の後に訪れる深い虚無感にもだえ、それでも「楽な大人」にだけはなりたくない―。同じ悩みをもつ人々、孤独を癒す文学とギター、そしてカヌーとの出会いを経て、暗闇の中から少しずつ、少しずつ、自分が追い求める何かに近づいていく。著者の原点でもあり到達点でもある、「自由を追い求める」という旅へ踏み出した頃の不安と葛藤を描いた傑作。

 

2011.9.6 第17回 「北極海へ」野田知佑

今回は「発作的座談会」でゲスト出演していたカヌーイストの野田知佑氏の著作の中から一冊紹介したいと思います。国内外の川をカヌーで下ってきた野田氏は本作によってカナダ・アラスカの大河に魅せられていき、以後このアラスカ通いは著者のライフワークとなっていきます。蚊の大群、変わりばえのしない風景、熊の危険、無愛想な原住民・・・およそ日本の川のもつ繊細さとは全く異なる環境。それでも、この河に戻ってきたくなる、またこの河を漕ぎたくなる理由とは。現代人が忘れてしまった自由と、それを謳歌する強さなど、著者の半生もふまえて「自由を追い求めること」の奥深さに迫ります。

2011.8.30 第16回 緊急企画!ぼくの夏休み最終週スペシャル

八月も終わりということで、今回は誰もが経験したであろう「夏休みの宿題の嫌な思い出ワースト1(注1)」について取り上げたいと思います。スペシャル仕様にすべくタナカの秘蔵資料をなぜか本邦初公開!そして文集に初採用されたナリタの作品についてなどなど、ぼくらの学生時代における文章力とその情熱について、恥ずかしげもなくたっぷり語ってみました。

第15回 関連書籍

併せてどうぞ!

「キムラ弁護士の友情原論」木村晋介
四人の中ではご意見番として活躍するキムラ先生が、椎名氏らとの友情、女の友情、男と女の友情、はては猫との友情?!などなど、多彩な視点と交友関係から「友情」について熱く語る一冊。友人、恋人、家族との関わりを、あらためて考えさせてくれます。巻末の椎名・沢野・目黒による解説鼎談も見逃せません。





2011.8.23 第15回 得難き空気感と脱線力 ~「発作的座談会」の感想から~

迷走・珍走をくりひろげる座談会に鼻白むナリタ。こんなんでいいのか!冷静に考えればよくないはずの展開が、なぜかこの四人の中では許容されうる不思議。個性と友情の絶妙なバランスに支えられた「空気感と脱線力」がいかに得難いものか、高校時代の妙な思い出など踏まえながら考察していきます。

2011.8.16 第14回 「発作的座談会」 椎名誠 沢野ひとし 木村晋介 目黒考二

残暑お見舞い申し上げます。節電もあいまってひときわ夏の暑さを身近に感じるこの頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。タナカとナリタの対談形式をとっているこのホンタナですが、「かたくるしすぎる」という気がしてきたタナカ。より面白くスリリングな討論を求め、今回は参考書として椎名誠らによる「発作的座談会」を紹介します。ひとクセもふたクセもある男たち四人が「茶わん蒸しはおつゆかおかずか」「美しい昼寝とは何か」など、脱線もなんのその、結論すら放棄してひたすら語りつくすという、勢いまかせの討論がもつ魅力に迫ります。まだまだ暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛ください。

第13回 関連書籍

併せてどうぞ!

「きみのためのバラ」池澤夏樹
世界各地で、わずかな時間を共にする人々。そこに宿る、ささやかで輝かしい時間を、透明な文体で丁寧にすくい上げた珠玉の短編集。人生の「ままならなさ」と向き合うこと、そしてその大切さを、異文化との接触を通して清々しい読後感とともに伝えてくれる名著。
ちなみに、「キップをなくしたら駅から出られない」という設定の、国語の教科書か塾の問題かで使われて妙に覚えていた話の作者が、この池澤さんでした(「キップをなくして」)。この機会に読み返してみたいですね。どちらもSFとは関連がうすいです(笑)。


2011.8.9 第13回 眠れなくなるSFの話(個人的に) ~「老ヴォールの惑星」の感想から~

タナカ            

2011.8.2 第12回「老ヴォールの惑星」小川一水

今回取り上げるのは新進気鋭のSF作家小川一水氏による短編SF小説集「老ヴォールの惑星」です。SF的非現実的舞台装置を通してこそ描きうるような、人間性へのあくなき洞察の一端を垣間見ることができる作品です。今回は特にその中に収められた最終章であり、特殊な漂流を経験する軍人の苦悩を通して「隣人」や「会話」の意義を問うた「漂った男」を中心に紹介します

2011.7.26 第11回 省略と強調のあいだ ~「眠れなくなる宇宙のはなし」の感想から~

スペシャルウィークを終え、今回からまた通常回でお送りします。分かりやすい話をしたい!そのとき人は、何を強調し、何を省略するのか?この解説本では語りきれなかった情報をもとに、ナリタが逆探知した著者の「省略」とは。伝えたい情報を取捨選択するセンス、そしてその難しさに迫ります。これを聞いたらもっと分かりやすくプレゼンができるようになるかも・・・?(当方では責任を負いかねます)

2011.7.19 第10回 ◯◯をたっぷり語ろうスペシャル

◯◯に入るべきは「ケータイ小説というメディア」だったり「カズヤ/タツヤ」だったり「自己中心性という残虐性」だったり「リアリティと世界の隔絶」だったり「レンアイ小説というホラー」だったり「愛情表現のベクトルとスカラー」だったり「読みたい恋愛小説」だったりと様々あり得るでしょうが、ともかく今回は第10回の節目にこんな特別企画にトライしてみました。ホンタナ全放送を通じて止むことなく言及されてきたかのベストセラー小説に送るタナカ・ナリタなりのみそぎ企画です。

第9回 関連書籍

併せてどうぞ!

「天地明察」沖方 丁
江戸時代、日本独自の暦をつくるという大事業に生涯をかけて挑んだ男がいた!囲碁棋士であり天文歴学者でもある渋川春海の人生を、囲碁と和算の好敵手たちとの触れあいを交えながら生き生きと描いた名著。不勉強でしたが、実在する人の物語だと後で知ってびっくりしました。「はやぶさ」のミッションにも通じる宇宙ロマン、そして和算という日本独自の数学の面白さにも触れられます。数々の賞を受賞し、映画化も決定したそうですね。
「はい、こちら国立天文台-星空の電話相談室」長沢 工
年間一万件を超える天文台への問い合わせに、広報普及室はどのように対応しているのか?そもそもどんな質問が寄せられているのか?一般人と専門家の宇宙観の違い、素朴な日常の宇宙現象の謎、宇宙教育のこれから、などなど、電話ごしのやりとりから見えてくるもう一つの「宇宙」。これもひとつのロマンです。

2011.7.12 第9回 「眠れなくなる宇宙のはなし」佐藤勝彦

七月の別名、文月(ふみづき、ふづき)の由来は、「7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるから」だそうです(wikipediaより)。今回はまさにそんな文月にふさわしい、宇宙学への招待本をオススメします。くしくも日本時間7月9日午前0時29分、最後のスペースシャトルとなる「アトランティス」が打ち上げに成功しました。古来より人々を魅了してきた宇宙、その謎を解き明かすこと、いやもっと簡単に「宇宙について想いを馳せること」とは何か。この本では、宇宙と我々との関わりを再認識させてくれる面白話が、シンプルな挿絵と親しみやすい文章で分かりやすく描かれています。梅雨も明けたことですし、夜空を眺める前に読むにはもってこいの一冊です。

2011.7.5 第8回 フィクションとリアリティ ~「となり町戦争」の感想から~

「戦争の理不尽さ」の現代語訳として紹介しました「となり町戦争」。テーマがテーマだけに暗くなった前回でしたが、タナカの解説はナリタに届いたのか?派生して、リアリティを追及する上でフィクションの持つ役割とは何か、はたまた本を読む場所やB級映画についてなど、今回も(?)いろいろな話題に触れていきます。そして意外な事実が明らかに?!

第7回 関連書籍

併せてどうぞ!

「ルール」古処誠二
終戦間際のフィリピン、敗走を続ける日本兵。圧倒的な”死”を前にした時、人はどう生き、どう死ぬのか。戦争が直接的に人の身体と精神を破壊する怖ろしさ、そして人が人として生きることの意義を、ミステリのエッセンスを用いて描いた意欲作。衝撃でした。

2011.6.28 第7回「となり町戦争」三崎亜記

これまでの流れから、「気づき」が読書を楽しくさせる重要な要素であることが何となく分かってきました。そこで今回は、異色の戦争小説「となり町戦争」をオススメしてみようと思います。戦争の持つ痛み、悲しみ、そして理不尽さは、リアルな感覚をともなって想像できない現代人でも「気づく」ことができるのか?読み返したくないと言うタナカ、言葉を失うナリタ、珍しくトーンの低い二人が、今までとちょっと違う視点から読書を楽しむ可能性を探っていきます。

第6回 関連書籍

併せてどうぞ!

「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか」岡本太郎
自伝的エッセイについてはあまりぴんとくる物に出会ってこれなかったナリタですが、これは彼の記憶に残る数少ない一冊。これだけ情熱、一貫性とエネルギーで駆け抜けるようなスピード感で一冊書ききってしまう筆力に驚いたのを覚えています。底に書かれた言葉はどれも正直であるがゆえに厳しい物ばかりで、兜の緒を無理矢理グイグイ締め直される思いがします。特に印象に残っているのは以下の部分ですかね。

ぼくは“幸福反対論者”だ。幸福というのは、自分に辛いことや心配なことが何もなくて、ぬくぬくと、安全な状態をいうんだ。(中略)
 たとえ、自分自身の家がうまくいって、家族全員が健康に恵まれて、とても幸せだと思っていても、一軒置いた隣の家では血を流すような苦しみを味わっているかもしれない。(中略)
 ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代わりに“歓喜”という言葉を使う。
 危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて“歓喜”なんだ。

なお、ナリタがこの著書を知るきっかけになったのはブログ「凹レンズ〜まとまりのない日記〜」このエントリでした。

2011.6.21 第6回 本棚に置きたい本 ~「パーマネント野ばら」の感想から~ vol.6

ナリタ大絶賛!素朴ながらも圧倒的なメッセージをもつ前回の二冊を、想像力の欠如と限界、負のループからの脱却なとからめて、あらためてその「凄さ」について語りつくします。そしてiPadユーザのナリタが「本棚に置きた」くなった理由とは?電子書籍にはない、本と本棚の持つ魅力についても話はおよびます。

第5回 関連書籍

併せてどうぞ!

「マンガの描き方ー似顔絵から長編まで」手塚治虫
言わずと知れた巨匠による親しみやすいマンガ手ほどき書。「マンガとは「省略」と「強調」である」、という簡潔にして含蓄のある言葉は、以来ナリタがマンガというメディア表現の可能性に想いを馳せる際に幾度となくリフレインしています。

2011.6.14 第5回「パーマネント野ばら」西原理恵子

「ホンタナ」で紹介する本は小説だけではありません。今回は鬼才・サイバラの個性的な作品群の中から、恋愛群像劇「パーマネント野ばら」を紹介します。恋愛モノはほとんど読んできていないタナカをもってしてもオススメしたくなる、恋のもつ怖ろしさと素晴らしさが詰め込まれた作品に対して、ナリタの反応やいかに?そしてさらに物語を楽しむサブ読本として、自伝的人生指南書「この世でいちばん大事な『カネ』の話」についても触れています。