2016.8.16 ミステリのアートとデザイン 〜「メルカトルと美袋のための殺人」の感想から〜

「探偵たるもの」の常識を覆す”銘”探偵メルカトル鮎。ミステリ愛読者にとっては奇異に感じる彼の言動も、ナリタにはこれといって不可思議には感じられません。実験的な問題作を生み出す著者の姿勢を、ナリタはアートとデザイン、哲学と実学との対比を用いて解釈しようと試みます。ミステリイノセント・ナリタによる率直な感想回です!

17:24〜 ホンタナBiz「モンベル七つの決断 アウトドアビジネスの舞台裏」辰野勇
31:52〜 感想回
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2016.8.9 「メルカトルと美袋のための殺人」麻耶雄嵩

久しぶりにミステリ作品を紹介します!”銘”探偵「メルカトル鮎」が手がける事件は、どれもが難問、奇問。それを快刀乱麻を断つごとくに終わらせる探偵の手腕たるや…おい!それでいいのか?!という反則スレスレ。それでもミステリの持つ醍醐味が十二分に発揮されているのが憎らしい。そもそもミステリに求めていたものは何だったのか、と自問自答せざるを得ない珠玉の短編集をお楽しみください。

14:09〜 ホンタナBiz「絶望の国の幸福な若者たち」古市憲寿
27:55〜 感想回
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2016.6.7 ユニバーサル・ストーリー 〜「寡黙な死骸 みだらな弔い」の感想から〜

※コーナー・感想回が一部聞きづらい音声となっております。大変申し訳ありませんが、ご容赦ください。

死者と語り合う、洞窟に刻まれた文字を読み解く、といった、独特の表現で紡ぎだされる小川作品。本作も例にもれずナリタを圧倒します。より物語の深淵を覗き込もうとする姿勢は、人類が共通して持つ「物語」へのアプローチなのでは?学者ナリタは自身の研究内容(と宣伝)もふまえて持論を展開します。

11:15〜 ホンタナ的ライフハック「翻訳草稿執筆に要した時間はいかほどなりや?」
21:00〜 感想回
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2016.5.31 「寡黙な死骸 みだらな弔い」小川洋子

タナカルールに基づいて、小川洋子作品、今年の一本を紹介させていただきます。失われる記憶、子供のまま止まった身長など、欠落を抱えて生きる人が多く描かれる小川作品。この短編集は、物語の欠落が次の物語へのつながりを作り、大きな世界を映し出します。タナカは”失われること”が”完璧な世界”を否定しない作風に救いを見いだすのですがー。新コーナーも登場します!

10:23〜 新コーナー Bizzホンタナ「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何か生み出せるか」
26:12〜 紹介回
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2016.3.1 かわいい比較論 〜「無印結婚物語」の感想から〜

「恐怖小説ですらある」と、ナリタは本作が描く結婚のもうひとつの側面に戦慄を覚えます。「こんな人だとは思わなかったー」「なんで私だけがこんな目にー」思い描いていた理想と現実との乖離。ナリタはそこに見え隠れする、何かと比較してしまう心理について切り込んでいきます。そのキーワードは「かわいい」?!結婚に限らず、個と個がそれぞれを尊重し合うことの意義について語り合っていますので、多少のノロケはどうぞご容赦願います!

10:22〜 古典コテン「死後」正岡子規
22:55〜 感想回
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2016.2.2 「無印結婚物語」群ようこ

面白鋭い現実描写に定評のある、群ようこ先生の作品を紹介します。人生の一大イベント、結婚。夢を抱いても抱かなくても、いずれ訪れる現実は無情に問いかけます。「これで本当によかったのか」と。様々なケーススタディ的な小編から「結婚」を多角的に俯瞰できる、問題提起というか問題備忘録的な短編集です。

13:50〜 ホンタナ的ライフハック「タナカの初タブレット」
24:02〜 紹介回

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2015.1.27 「かわいそうだね?」綿矢りさ

2012年に大江健三郎賞を受賞した作品を紹介します。「かわいそう」という感情について躍動的な文体と多角的な情景描写で描きだす筆力にタナカは圧倒されます。忌避されがちな「かわいそう」をこれでもかと描き出す表題作に加え、これまた衝撃的な「亜美ちゃんはきれい」を含めた中編二作です。痛快かつ濃密な一冊をお楽しみください。

13:23〜 タイトリング!
24:24〜 紹介回
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2014.1.21 失うことのスライドショー 〜「薬指の標本」から〜

かくも怪しき短編小説を語るために、今回の感想回は例外的に「ネタバレあり」のパートを用意しました。まだ読みたいけど読んでない!という方はご注意ください。”封じ込めること”についての話をバラしてしまうというのはなんとも皮肉なものですが、タナカとナリタが感じたそのままの形が”封じ込め”られた回となりました。

21:50〜 新コーナー「スクラッチブック」
44:15〜 感想回(ネタバレなし)
1:09:53〜 感想回(ネタバレあり)
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2014.1.14 「薬指の標本」小川洋子

2014年一発目の作品は、妖しくも強烈な短編集をご紹介します。恋愛の痛みと恍惚を描く…部分よりも、登場する建物、職業、小道具、そしてタイトルまで、ありとあらゆる部分にタナカを嬉しくさせる「あやしさ」をたたえる表題作。そしてこれまたそそられる「六角形の小部屋」の二編を収録した、インパクトからは薄すぎるくらいの本作はタナカの小川扉を一気に押し開けました。

13:00〜 古典コテン「饗宴」プラトン
49:00〜 紹介コーナー

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2013.12.3 「青い星まで飛んでいけ」小川一水

アイソン彗星は思ったより明るくならなかったようですが、ラブジョイ彗星、リニア彗星など冬の夜空はこれからますます盛り上げってくるところです。そんな時はやっぱりSF!といったところで、ごぞんじ小川一水作品をご紹介します。今いる所から外に出たい、もっといろんなことを知りたい、といった根源的な欲求=好奇心を胸に、時間・場所を越えて知的生命体は今日も行く!個性的な全六編を含む短篇集をお楽しみください。

13:40〜 古典コテン「一握の砂」石川啄木
31:22〜 紹介回
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2013.9.17 「2001夜物語」星野之宣

お待たせいたしました!夏休み明け一発目はタナカとナリタが盛り上がるにふさわしい、SF漫画の名作を取り上げます。道具や火を使い出したように、人類は技術と知恵を駆使して広大な宇宙へと進出していくー。はるかな時空の流れをアラビアンナイトよろしく短編で紡ぎだす、壮大にして緻密なドラマがそこにはあります。フリートークもコーナーもからめて技術と人間との関係を飛ばし気味で語ってみました!

16:12〜 古典コテン 「風立ちぬ」堀辰雄
31:26〜 紹介回
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2013.7.9 「スティル・ライフ」池澤夏樹

池澤夏樹の原点に迫る作品を紹介します。科学と文学の融合を瑞々しい文体で描いた表題作に加え、父娘の間の距離感が独特の表現で描かれる「ヤー・チャイカ」の二つの短編の魅力について語ってみました。フリートークではご存知ザキさんからの興味深いビジネス書の読み方についても紹介しています。

11:15〜 私も投稿してみました『伊集院光の深夜の馬鹿力・空脳のコーナー』
35:50〜 作品紹介
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2012.7.3 「秋の牢獄」恒川光太郎

今回はフィクションの怖い話を取り上げます。わたしたちがまだ小さかった頃、怖い場所や怖い人はけっこうありふれた存在でした。それが年をとりひとつひとつ知らない世界が減っていくにしたがい、はじめからそんなものは無かったかのように「怖さ」は日常に埋もれてしまいます。恒川氏の作品は、そんな懐かしくも恐ろしい世界観を端正な文体で切り取り、世の中、そして自分自身の不確かさを再認識させてくれます。それが妙に心地よいのが不思議なんですよね。現代の「怪談」とも言える短編集、お楽しみください。

2012.5.8 ホンタナ1周年特別企画:本当に読みたい恋愛マンガスペシャル

おかげさまでホンタナも1周年を迎えることができました!ということで今回は、素敵なゲスト、しかも2名、しかも女性!(@tokokickさんと@maom68さん)をお招きしまして、いつになく華やかなムードでお送りいたします。さらにゲストかつリスナーのお二人が自信を持っておすすめする作品についてタナカとナリタが感想を述べるという、リスナー提案型の企画がついに実現!その作品とは女性なら「イタタタ」となること間違いなしの、おかざき真里「&(アンド)」「友だち以上」。はたしてタナカ&ナリタの感想やいかに?!いつも以上に「!」多めの2時間弱をたっぷりお楽しみください。毎度ほのぼのしいホンタナを今後ともよろしくお願いいたします。

2012.4.24 「阪急電車」有川浩

新年度になって、ようやく新生活に慣れてきた方も多いと思います。かくいうタナカも、この春から満員電車に揺られて通勤するようになりました。というわけで今回は通勤通学のお供にもってこいの短編集をご紹介します。宝塚線を舞台にし、各駅ごとに章だてられた構成が目を引きますが、そこに登場する人物もまた魅力的です。婚約者を寝取られた女、亭主に先立たれた老婦人、はたまた初々しい大学一年生や社会人彼氏をもつ女子高生…。電車という、限られた時間と空間の中でこそ表れる人間性を、見事に切り取った作品です。(注:老婦人を演じたのは「大竹しのぶ」ではなく「宮本信子」でした。)

2012.4.10 「犬を飼う」谷口ジロー

うちには猫がいます。外に出たこともないお嬢様で、ドアが閉まっているとガラス越しにじっと見つめながら「開けて」と無言でせがみます。部屋の片づけをしていると「何やってるの」と近づいてきて、2、3秒見つめると「じゃね」と去っていくクールビューティでもあります。猫と犬の違いはあるとはいえ、彼らと生きることの意味を淡々と問いかける作品を今回は紹介します。単なるペット以上である存在の犬や猫を、作者自身の体験をもとに描いた短編集で犬猫ファン以外も必見!

2011.12.13 「ナポレオン狂」阿刀田高

師走も中旬となり、いつも以上にささくれ立っているタナカが今回おすすめするのは、ブラックユーモアの第一人者にして短編の名手である阿刀田氏の代表作です。不安や狂気を奇抜なアイデアで抽出した作品群は、ホラーとも怪談とも違う怖ろしさを持っていると同時に、どこかニヤリとしてしまう面白さをかねそなえているのはなぜか。いろんな意味で心配しているナリタとともに、恐怖の描き方とその楽しみ方についてあれこれ語ってみました。

2011.8.9 第13回 眠れなくなるSFの話(個人的に) ~「老ヴォールの惑星」の感想から~

タナカ            

2011.8.2 第12回「老ヴォールの惑星」小川一水

今回取り上げるのは新進気鋭のSF作家小川一水氏による短編SF小説集「老ヴォールの惑星」です。SF的非現実的舞台装置を通してこそ描きうるような、人間性へのあくなき洞察の一端を垣間見ることができる作品です。今回は特にその中に収められた最終章であり、特殊な漂流を経験する軍人の苦悩を通して「隣人」や「会話」の意義を問うた「漂った男」を中心に紹介します

2011.5.17 第2回「パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り」椎名誠 vol.2

さっそく第1回に取り上げた「眼球綺譚」を読んだナリタの感想から第2回は始まります。はたしてタナカの解説は的を得ていたのか?!そして椎名誠の異色紀行文「パタゴニア」。作家人生を変えた旅で気づいた愛とは、自由とは何か、29分頃から紹介していきます。
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       併せてどうぞ!→ 

次回のポッドキャストは2011.5.24に配信予定。ナリタの「パタゴニア」の感想から始まり、話題は椎名誠という作家についてや紀行文の読み方、長編・短編という形式の特徴などに及びます。