2016.10.4 物語を押しつけるな 〜「美しい距離」の感想から〜

ナリタはこの物語に激しく共感します。主人公夫婦に、勝手に思い描いた”物語”を、土足で無自覚に押し付けようとする周囲の人々…このうっとうしい、苛立たしい存在をどう考えればよいのか。夫婦の距離が美しいほどに、口さがない人たちの挙動が目に余ります。つらい状況にある友人知人に対し、自分がそうならないように戒められる感想回です。

10:24〜 ホンテナンス「HPメンテの中間報告」
17:57〜 感想回
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2016.9.27 「美しい距離」山崎ナオコーラ

夏休み明け一発目は、「かわいい夫」に続く今年二作目の山崎ナオコーラ作品です。同じく夫婦の世界が描かれますが、本作は比較的若く死にゆく妻とそれを看取る夫、そしてその周囲の人々の物語です。ナオコーラ作品らしく個人が個人を尊重しあう夫婦ですが、「死」によってふたりの距離は絶対的に遠ざかります。それが悲しく、苦しいことであることは想像に難くないですが、「死」を隔てても美しい距離とはどのようなものか。短いながらもタナカは本作にひとつの救いを見いだします。

12:27〜 ホンテナンス「ホンタナのHPが移転します!」
25:26〜 紹介回
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2016.6.7 ユニバーサル・ストーリー 〜「寡黙な死骸 みだらな弔い」の感想から〜

※コーナー・感想回が一部聞きづらい音声となっております。大変申し訳ありませんが、ご容赦ください。

死者と語り合う、洞窟に刻まれた文字を読み解く、といった、独特の表現で紡ぎだされる小川作品。本作も例にもれずナリタを圧倒します。より物語の深淵を覗き込もうとする姿勢は、人類が共通して持つ「物語」へのアプローチなのでは?学者ナリタは自身の研究内容(と宣伝)もふまえて持論を展開します。

11:15〜 ホンタナ的ライフハック「翻訳草稿執筆に要した時間はいかほどなりや?」
21:00〜 感想回
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2016.3.1 かわいい比較論 〜「無印結婚物語」の感想から〜

「恐怖小説ですらある」と、ナリタは本作が描く結婚のもうひとつの側面に戦慄を覚えます。「こんな人だとは思わなかったー」「なんで私だけがこんな目にー」思い描いていた理想と現実との乖離。ナリタはそこに見え隠れする、何かと比較してしまう心理について切り込んでいきます。そのキーワードは「かわいい」?!結婚に限らず、個と個がそれぞれを尊重し合うことの意義について語り合っていますので、多少のノロケはどうぞご容赦願います!

10:22〜 古典コテン「死後」正岡子規
22:55〜 感想回
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2016.2.2 「無印結婚物語」群ようこ

面白鋭い現実描写に定評のある、群ようこ先生の作品を紹介します。人生の一大イベント、結婚。夢を抱いても抱かなくても、いずれ訪れる現実は無情に問いかけます。「これで本当によかったのか」と。様々なケーススタディ的な小編から「結婚」を多角的に俯瞰できる、問題提起というか問題備忘録的な短編集です。

13:50〜 ホンタナ的ライフハック「タナカの初タブレット」
24:02〜 紹介回

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2015.12.22 日本とエストニアの美をたっぷり語ろうスペシャル

2015年最後の配信は、なんと海外からのゲスト、矢野マーリアさんをお招きしてお届けします!エストニアの人気ブロガー・作家であるマーリアさんがオススメするのは、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」と「鍵」の二作品。日本に魅せられるきっかけともなった作品の魅力、そして実際に日本に来て分かったこと、そして母国エストニアについて、などなど、話題は多岐にわたります。文化も言葉も越える良さ、美しさについて盛り上がりました!

マーリアさんのブログはこちら
エストニアでの結婚式についてのお問い合わせは、weddingestonia@yahoo.comまで。
著作「Minu Tokyo」はこちら。写真も多く、見てるだけでも楽しいです。

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本年もリスナーの皆様、そしてゲストにお越しいただきました皆様には
大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年を!

2015.11.17 本質を見極める(全体から?細部から?)〜「アイデアを探せ」の感想から〜

ショートショートの名匠が魅せるテクニックに感銘を受けたナリタ。「大雑把に全体を見ること」と「細部を極めること」は相反するものなのだろうか?ともに本質を見極める手法としてはむしろ同じなんではなかろうか?物語の作り方から、物理、数学への取り組み方へと話題は広がります。普遍的な事象を、極限まで削りだすことは数式もショートショート同じなのかもしれません。

15:45〜 ホンタナ的ライフハック「パジャマをたたむ話」おぎやはぎのメガネびいき
30:19〜 感想回
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2015.11.3 「アイデアを探せ」阿刀田高

今回はワケあって二回連続で紹介回をお届けいたします。数々の長編・短編・ショートショートを生み出してきていた著者のアイデアの源泉を惜しみなく披露する本作。アイデアの見つけ方はもちろん、大小のアイデアをいかに作品に結実させるかといったテクニックを作者の実例を交えながら解説してくれます。「妄想族」にあえぐタナカの一助となるか?!エッセイとしても楽しめる新・発想本です。

10:15〜 古典コテン「文法の原理」イェスペルセン
34:35〜 紹介回
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2014.6.17 理想すらも人を滞らせる 〜「光の指で触れよ」の感想から〜

それぞれの登場人物が閉塞感にとらわれ、向き合う姿に感銘を受けたナリタ。不幸ばかりでなく、理想的な姿すらも人を停滞させること。そして意外にも本人の努力とは別に、ふとした出会いやきっかけが物事を動かすこと。風が吹く日も凪の日も、人生と言う名の風力発電機はそこに立ち続けるー(なんちゃって)。カバー写真の裏話も含め、作品の面白さについて語ってみました。

12:51〜 古典コテン「仮面の告白」三島由紀夫
25:50〜 感想回
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2014.6.10 「光の指で触れよ」池澤夏樹

家族とは何か、を問う作品を紹介します。前作「すばらしい新世界」で描かれた理想的な家族像が、もろくも崩れたところから始まる本作。さまざまな岐路を前に、立ち止まる者、道を選ぶ者、後に戻る者…それでも家族はひとつになれるのか。不条理な不幸の中で、光に触れようとする人たちの姿が胸を打つ名作です。

10:07〜 古典コテン(のつもり)
18:50〜 紹介回
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2014.4.15 夢に手を伸ばすということ 〜「入神」の感想から〜

つたない画力(失礼!)ながら碁にかける情熱をあますことなく注ぎ込んだ本作は、もうひとつの「匣の中の失楽」と言えるのかもしれません。著者自身の作品への取り組み方、登場人物の碁に対する姿勢など、ひとりの人がひとつの夢を極めようとしている姿にナリタは感銘を受けます。
そして引き続き3周年スペシャル企画についてもふたたびお知らせします!

18:59〜 古典コテン(「人間失格」太宰治)
37:20〜 感想回
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2014.4.1 著者自身による解説 〜「空白を満たしなさい」の感想から〜

今回はネタ切れのためコーナーをお休みさせていただきます(すみません)。「分人」という概念についてナリタは興味は持ちつつも、小説と新書という二つのアプローチで迫ったスタイルに関して疑問を持ちます。実際に「分人」の概念も盛り込みながら、物語を楽しむ難しさと面白さに迫ります。

13:00〜 感想回
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2014.3.25 「空白を満たしなさい」「私とは何か」平野啓一郎

風や日差しも暖かくなり、春の訪れを感じる昨今ではありますが、この生命界の潮流に逆らってタナカは死に関わる作品を(コーナーまで)取り上げます。著者の提案する「分人」という概念を、小説と新書の二つで表すという意欲作。タナカ自身も救われるところのあった「分人」という概念とは何か。新生活を始める前に読んでいただきたい二冊です。

18:30〜 古典コテン「こころ」夏目漱石
35:45〜 紹介回
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2014.1.21 失うことのスライドショー 〜「薬指の標本」から〜

かくも怪しき短編小説を語るために、今回の感想回は例外的に「ネタバレあり」のパートを用意しました。まだ読みたいけど読んでない!という方はご注意ください。”封じ込めること”についての話をバラしてしまうというのはなんとも皮肉なものですが、タナカとナリタが感じたそのままの形が”封じ込め”られた回となりました。

21:50〜 新コーナー「スクラッチブック」
44:15〜 感想回(ネタバレなし)
1:09:53〜 感想回(ネタバレあり)
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2013.11.19 「一絃の琴」宮尾登美子

あの「序の舞」から約一年、宮尾登美子作品をご紹介します。一弦琴にひたむきな情熱を傾け、ついには一大流派を築いた女性。全てにおいて完璧を求め、名実ともに一弦琴を継承しようとする女性。ふたりの人生を通して描かれる”芸の道”について、「序の舞」と共通する部分、異なる部分にふれつつ、その奥深さについて語ってみました。

11:40〜 ホンタナ的ライフハック「todoist
31:17〜 紹介回
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2013.7.23 「ビッグボートα」赤川次郎

多くの人に愛される赤川次郎作品の中でもめずらしい、著者初の海洋冒険ロマンを紹介します。壮大なプロジェクトにかかわる人々の攻防を、あの親しみやすい文体がどう描くのか。また、タナカが今読み返してあらためて思う面白さとは。実話をもとにした隠れた名作の魅力に迫ります。

12:23〜 タイトリング!
30:30〜 作品紹介
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2013.7.16 均衡と調和 〜「スティル・ライフ」の感想から〜

大事なのは、外の世界と君の中にある広い世界とのあいだに連絡をつけることー。様々な世界や人々のあいだに生まれる均衡と調和を描いた本作に深い感銘を受けたナリタ。スライドショーのように一見脈略なく流れていく様々な物語がもたらす効果は、ナリタに新しい小説の楽しみ方を気づかせます。タナカも紹介しておきながら気づけなかった魅力とは何か?短いながらも小説のエッセンスに富んだ作品集の魅力に迫ります。

13:08〜 メール紹介コーナー
28:57〜 感想回
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2013.5.21 祝二周年!ホンタナマイルストーンスペシャル

お待たせしました!今週はホンタナのスペシャルウィーク第一弾、素敵なゲストをお招きして「自分のマイルストーンになった作品」について盛り上がって参ります。本や映画との出会いはいつもわくわくするものですが、自分の人生に影響を与える作品に巡り会えた時の衝撃はいつまでも色褪せないものですよね。今回はゲストに衝撃を与えた作品群の中から二冊をご紹介いただき、作品の魅力はもちろん、それらが影響を及ぼした人生の局面の話をたっぷり語っていただきます。自分が好きな作品を他の人と共有する喜びにあふれる、ホンタナの理想形のような回となりました。お楽しみください!
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2013.4.2 二重らせんの物語 〜「匣の中の失楽」の感想から〜

綾辻行人が裏表紙の推薦文にて「探偵小説というものの、ありとあらゆる魅力的な要素をぎっしり詰め込んだ玩具箱」と評した日本四大奇書の感想回です。奇妙な探偵小説マニアサークルのメンバーが織り成す、謎が謎を呼ぶ展開、作中作を多用しためくるめく「さかさま」な世界観、ディープな「理想の犯行」「理想の探偵小説」談義などなどを通じて、読者は一方で探偵小説のいろはを見せつけられ、他方でアンチミステリの先駆けとなった数々の破壊的意匠に驚かされることになるでしょう。お楽しみください。
15:30〜 古典コテン「少女病」田山花袋
33:55〜 「匣の中の失楽」感想
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おかざき真里先生にたっぷり語ってもらおうスペシャル

今年最後のホンタナは、ななななんと漫画家・おかざき真里先生をお招きしてお送りいたします!!本当です!!しかも先生自らに、特に思い入れの深い作品として宮尾登美子「序の舞」、副読本として雨宮まみ対談集「だって、女子だもん!!」の紹介までしていただくという、超豪華特大号となっております。恋愛と仕事に生きる女性達を描いてきたおかざき先生ならではの課題本に対し、「『&』の誰にも共感できない」とのたまったタナカ・『サプリ』を読み返し理解すべく努力してきたナリタの反応やいかに。先生ご自身の制作秘話なども織り交ぜた、極上のクリスマスプレゼント回です!!
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本年も聴いていただき誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくおねがいいたします。
よいお年を!